■■ BUCK-TICK結成秘話 ■■

BUCK-TICKのメンバーってどんな風に知り合ってバンド組むことになったの〜?ということで、バンドの結成時のなれそめを物語風に語っていきたいと思います。業界内でも「仲の良いバンド」で有名な彼らの軌跡を一挙ご紹介!!
(注:このお話は管理人の想像によるものですが、一応事実には基づいておりますのであしからず)


今井実家にて

時は1984年。
舞台は群馬県藤岡駅前商店街のとあるタバコ屋さんでございます。
そう、ナニを隠そう天災…いいえ、天才ギタリスト、今井寿さまのご実家であられます。
このお店の2階にある今井さんのお部屋には、学校帰りの高校生たちが所狭しとたむろしておりました。
皆それぞれ漫画を読んだりタバコを吸ったり(未成年というツッコミは無しよ)しながら気ままに時を過ごします。

そこへ常連のように通っていた中に居たのが櫻井敦司(3年)・・・通称あっちゃんと、ひとつ年下の樋口豊(2年)・・・通称ユータでした。

さてさて、実は今井さんには密かな夢がありました。
それは「バンド組んでプロになる!」という、漠然とした・・・しかし希望に満ち溢れたものでした。
もともとYMOから音楽に興味を持った今井さん。部屋にはおびただしい量のレコードが乱雑に積まれ、それを熱心に聴いていたのです。

イマイ「なぁ、バンドやんねぇ?」
全員、一瞬の間
アツシ「いいじゃん。やろうぜ」
ユータ「うん。やろうやろう〜」
イマイ「俺はギター(やったことないけど)」
アツシ「うーん・・・じゃあ俺、ドラム(やったことないけど)」
ユータ「え〜!俺もギターがいいよぉ!(やったことないけど)」
アツシ「ユウはベースにすれば?(適当)」
ユータ「え〜・・・でもアツ先輩がそう言うなら・・・(小声)。あ、俺の友達にヒデ(星野英彦)って奴居るんだけど、カッコいい奴だからボーカルにどうかなぁ」
イマイ「あ、わりぃ。ボーカルは俺の幼馴染(アラキって人)がやるから」
アツシ「ヒデの歌声って聴いたことあるのか?」
ユータ「ない」
アツシ「(それでどうしてボーカルに・・・)じゃあ、ヒデはギターでいいじゃん。ツインギターもカッコいいし」
ユータ「じゃあ俺はどうすんの?!」
アツシ「だから、ユウはベースだろ?(強制)」

こうして合理的な話し合いのもと、各パートが決定したのです★


イベント出演・・・そしてバンド名決定

さて、こうして原型ができあがった彼らですが、なにせ楽器を持つことすらも初めて。まずは練習の日々・・・と思いきや・・・。
「バンドをやろう」と決めた日のすぐ後のこと。

ユータ「あのねぇ、今度の日曜日に『リトルロック』っていうイベントあるんだけど、そこへの参加決めてきたから★」

ユータが無邪気に言いました。
それは群馬県のアマチュアバンドが一同に集うコンテスト。
そこへ、まだ楽器すらも持ったことのない5人の参加が決定。
ユータのお兄さん(ヤガミトール)は実はバンドマンだったので、こういったイベントには人一倍コネクションがあったのです。
とりあえず最初はコピーから入るのが妥当というもの。彼らは「スターリン」というバンドのコピーで参加することに決めました。

イマイ「じゃあ、バンド名決めっか」
ユータ「うん!今井さん考えてよ〜。今井さんのセンス、すっげーカッコいいんだもん」
イマイ「そうだな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うーん・・・・・・」
アツシ&ヒデ&ユータ「(どきどきどきどき)」
イマイ「・・・・・・・・・・・・・・決めた」
ヒデ「え?もう?」

天才ギタリスト、今井寿さまの発案したバンド名・・・それは


『非難-GO-GO』





ヒデ「やっぱり、今井君って変わってるよネ・・・」
アツシ「てめぇ!今井の考えた名前にケチつける気か?かっこいいじゃねぇか!」
ヒデ「そそそそ・・・そういうわけじゃないよぉ〜」
ユータ「そうだぞ、ヒデのくせに生意気だ!」
ヒデ「やめてよぉ〜(涙)」


こうしてなんの揉め事も無く、バンド名は『非難-GO-GO』に決定したのです★


オリジナルを始める・・・そして舞台は東京へ

さて、この年の春はあっちゃんと今井さんが高校を卒業。
あっちゃんは地元の会社に就職。今井さんは一人上京し、週末には群馬に帰ってきて練習という日々が続きます。
『非難-GO-GO』が結成して3ヶ月・・・。
いまだコピーしかやったことのなかった今井さんはある決断を下します。

イマイ「そろそろオリジナルの曲やんねぇか?」

そうです。プロになるためには何よりもオリジナルの楽曲が無ければ話になりません。演奏の上手い下手は二の次です。
これを機にバンド名も『BUCK-TICK』に変更。
華があって過激で、それでいて誰もが知っている覚えやすい名前がいい。それが、「爆竹」。

BUCK-TICKとして初めて出た地元のコンテストにて、彼らはこんな評価を受けることになります。
「演奏1、総合性2、将来性5」(5段階評価)
演奏ははっきり言って聴けたものではありませんでしたが、勢いだけはキラキラと輝いているような・・・そんなバンドでした。
そして何度目かの出場でもらったのが「特別賞」。バンドは一気に勢いをつけていきます。

次の年の春にはヒデ、ユータが高校を卒業して上京。
これでバンドの活動拠点は東京へと移ることになりました。
今度はあっちゃんが一人群馬に残り、週末に上京するという日々が続きます。
あっちゃんは悩んでおりました。
バンド活動のために染めた茶髪にロン毛のため、会社ではもちろん浮いてしまっています。そのうちに出社拒否症になり、週末のバンド練習以外は近所の山で車を乗り回す日々・・・。
東京へ出て行くのは簡単です。しかし、あっちゃんにはこわ〜〜いオヤジさんが居て、自分が家を出て行くことでお袋さんに手を上げたりするんじゃないかなどと考えると、出るに出れなかったのです。
そんな折、あっちゃんのオヤジさんは病気で亡くなってしまいました。
これで堂々と上京できるじゃん、というわけにもいきません。
オヤジさんが居なくなってしまったことによって、お袋さんとお兄さんを残して自分ひとりでのうのうと東京に行けるわけがない、と考えるようになったのです。
酒に溺れて、自堕落になっていくあっちゃんにお袋さんは言いました。「そんなに行きたいなら行けばいい」・・・そう言って、理解者であったお袋さんはあっちゃんの背中を押したのです。

こうして、BUCK-TICKのメンバー全員が東京に勢ぞろい。
東京のライブハウスを中心に大暴れしていくことになったのです★

あっちゃん、一大決心

さてさて、実はあっちゃんにはもうひとつ悩みがございました。
結成以来ずっとドラムを担当していたあっちゃんでしたが、ココへ来て壁にぶち当たってしまったのです。

アツシ「俺って・・・ドラム向いてないんじゃねぇか?」

ええ〜?!・・・そんな、いまさら・・・。(←殴★)
と・・・とにかく、いったんそう思い込んだらとことん落ちていくのが櫻井敦司流。密かに目をつけてしまったパート・・・それがボーカルでした。
バンドのカラーはなんといってもボーカルで決まります。
あっちゃんは色んなバンドを見てきてこう思ったのです。

アツシ「俺がボーカルなら、もっとかっこよくできるのに」

さすがは天下のナルシスト櫻井敦司。
とにかくあっちゃんは昔からお顔がよろしく、高校の先輩でもある氷室恭介氏にも「お前、ルックス良いんだからボーカルやればいいのに」と言われたこともあったのです。
あっちゃんの興味はひたすらボーカルへと突っ走ることになりますが、BUCK-TICKには今井さんの幼馴染のアラキというボーカルが居ます。こればかりはどうすることもできません。
BUCK-TICKを脱退して、ユータのお兄ちゃん(ヤガミトール・通称「アニィ」)の居るバンドに入れてもらってボーカルをやろうかなどということまで考えました。

アツシ「お願いです!あにぃのバンドに入れてください!(土下座)」
アニィ「・・・悪りぃなアツシ・・・俺はもうバンドやめるんだ。それに、お前はBUCK-TICKのドラマーだろ?」

アニィはBUCK-TICKのメンバーより4つも年上。そろそろバンドの世界からは足を洗おうと考えていたのです。

アツシ「ボーカルやりたいのにできない・・・ああん!どうにもならないロマネスク〜〜!」


そんな折、BUCK-TICKの主である今井先生もある悩みを抱えておりました。

イマイ「今のボーカル・・・俺の曲に合わねぇ・・・」

おやおやなんというナイスタイミングでしょうか!
・・・ですが、今のボーカルは今井さんが小学生の頃から一緒につるんできた親友です。合わないからと言ってあっさりと切り捨てるわけにもいきません。
しかし、プロ志向であるからには今の状態で続けていくわけにもいかず、今井さんは涙ながらにボーカルに「脱退してくれ」という意思を告げたのです。ボーカルさんも日ごろから今井さんのエキセントリックな楽曲を唄いこなす自信が無かったらしく、快く承諾してくださいました。

さて、そうなると「チャンス!」とばかりに名乗り出てきたのはあっちゃんです。

アツシ「今井!俺ボーカルやりたいんだ!やらせてくれ!!」
イマイ「へ??な、なんで・・・」
アツシ「前からずっとやってみたかったんだ・・・お願いだ」
イマイ「や、もう次のボーカルの目星つけてっし・・・それに、あっちゃん歌ったことあんの?」
アツシ「ないっ!!」
イマイ「ないっ!!・・・って・・・。とにかく、ボーカルはもう決めてあっから・・・」
アツシ「嫌だ!そんな、何処の誰だかわからない奴より俺の方がいいに決まってる!・・・今井は嫌か?俺じゃ、だめなのか?(うるうる)」
イマイ「うっ・・・・・・・・・別に、いや・・・って・・・わけじゃ・・・(どうしてそうなる?!)」
アツシ「今井は俺じゃ・・・嫌なんだ・・・(TдT)うっうっ・・・」
ヒデ「あっちゃん・・・泣かないでよぉ・・・(おろおろ)」
アツシ「いいんだ・・・ふふ・・・どうせ俺なんて・・・俺なんて・・・(伏し目)」
ヒデ「あ・・・あっちゃん・・・(ドキ★)」(←おいこら、ストップ私)
イマイ「あ〜〜〜〜!もう!!わぁ〜ったよ!!やればいいじゃん、ボーカル!!」
アツシ「・・・!!ほんと?!わぁい、今井ぃ♪大好き!!」
イマイ「はは・・・あははは(ヤケクソ)」
ヒデ「でもさ、どーすんの?ドラムは・・・」
ユータ「それなら問題なし!俺、当てがあるからさ〜」
ヒデ「そうなんだ・・・って・・・誰?まさか・・・」
ユータ「ふっふっふっ」


そして、次の週末の群馬にて。
樋口家ではユータが勝手にアニィの荷物をまとめていました。

アニィ「オイこら!何してやがんだ!!」
ユータ「兄貴はBUCK-TICKに入るの!俺が決めた!一緒に東京行こう」
アニィ「あのなぁ・・・俺はもうバンド辞めたんだ。これ以上音楽やるつもりは無い」
ユータ「そんなの嘘だよ!兄貴は自分に嘘ついてる!辞める気なんてないくせに!」
アニィ「ユータ・・・」
ユータ「BUCK-TICKには兄貴が必要なんだよ!絶対にプロになるんだ!あ、もう東京行きの切符、取ってあるからね」
アニィ「なっ・・・なにぃ〜!?」

なんと美しい兄弟愛でしょうか。ユータは拉致するごとく、無理やりアニィを自分のアパートに転がり込ませたのでした。

さて、そんなこんなでBUCK-TICKに加入することになったヤガミトール。こうして彼ら5人はひとつになり、現在まで一度もメンバーチェンジすることなくバンド活動を続けているのでした★


★★終わり★★


注):メンバーの会話に関してはフィクションです。彼らの性格は必ずしもこれに忠実ではございません。(特にあっちゃん)


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